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会長挨拶

  慶應義塾大学ライチウス会は塾開塾1858年(安政5年)から72年後の1930年(昭和5年)4月に発足しました。 以来、歴代会長の指導のもと、各時代の現役の皆さんの努力はもとより、その時々に実践活動の場を提供していただいた福祉施設の皆様をはじめ多くの関係者のご理解・ご協力により、今日に至るまで活動が継続されてまいりました。公認学生団体文化団体連盟の90団体の中では長い歴史を有する団体の一つとなっております。

 2021年には創立90周年を迎え、記念式典開催をはじめ記念誌発行等、様々に90周年を祝う事業を検討してまいりましたが、想像だにしなかったCOVIT-19によるパンデミックが社会を襲い、その影響は私たちの日常生活を変貌させ、今やマスク無しの生活は考えられず、楽しいはずの会食も会話も制約のある環境においてのみ許されるという現状が、今なお継続されています。

 そのような事態が、対面でのボランティア活動を大切にし実践してきたライチウス会の活動にどれ程の影響を与え続けてきているか、ライチウス会OBOGの会である私たち三田会も大変心配し、支援のあり方を模索しながら今日に至っております。

 さて、このように大きな課題を抱えるこの時ではありますが、昨年11月より、ライチウス三田会皆様の承認を得て、会長に就任致しました。大学入学の1972年より過ごした4年間におよぶライチウス会でのボランティア活動は、その後の私の人生を変えうる程に大きな学びと影響を与えたものでした。当時は、「ボランティア」に対する偏見さえもあった時代でしたが、児童養護施設至誠学園における子供たちとの勉強会を中心とした活動、障がいある方々への直接的な介助活動、知的障がい者施設のプール開きのために半日プール掃除を行なうなどのワークキャンプ、宮城まり子さんの創ったドキュメンタリー映画「ねむの木の詩」の学内での上映活動に代表されるような広報活動、善意銀行から依頼される様々なニーズを学内に呼びかけ協力を得ていくボランティアビューローとしての活動など、多岐にわたる活動を通して、社会の直面する問題を学び、時に「ボランティア」とは何かを議論し、将来の生き方をも議論しあった思い出深い4年間でした。

 卒業後3年間の銀行勤務の後、再度、勉学の道を選択し、言語聴覚士という専門職を得、以降40年間、リハビリテーションに関わる仕事を継続してきましたが、もしライチウス会に入会していなければ、全く異なる人生を歩んでいたであろうとも思える程に、私にとって、その存在は大きいものでした。

 ライチウス会は、今、大きな転機を迎えています。対面の活動に制約が生まれ、様々な困難の中で生活する子供たち、障がいある方々への支援が容易にできない歯痒さの中で、新たな支援の形を模索しています。

 しかし、どのような時代であろうとも、ライチウス会の活動を理解し、支援し協力を惜しまないライチウス三田会でありたいと思います。

 皆様のご理解ご協力を今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

2022年1月吉日

ライチウス三田会
会長 半田理恵子