〇11月8日、ライチウス三田会総会が開催されました
今年度の総会を三田キャンパスで開催しました。第一部は南校舎455教室456教室で定例議事・講演会・グループ懇談を行い、第二部は山食にて懇親会です。
来賓、会員の参加は26名、現役参加は12名の合計38名でした。今年は5月に「ライチウス三田会創立25周年お祝いの会」を開催しましたので、そのため、例年より参加人数が減少したと推察しました。

[第一部 総会]
ライチウス三田会総会 次第
開会:13時 司会進行:内藤麻里子幹事
1.塾歌斉唱
2.ライチウス三田会会長挨拶 半田理恵子会長
3.ライチウス会会長挨拶 駒村康平教授
4.会計報告 飯塚克己副会長
5.監査報告 林圭子監事
6.役員承認 半田理恵子会長
7.講演 長谷川幹氏 (リハビリテーション科医師)
8.集合写真撮影 山崎弘義会員
-休憩―
9.グループ懇談 ( 進行) 塚本晃弘会員 徳田剛至幹事 伊藤教彦会員 辻陽一郎幹事
10. 閉会の言葉 飯塚克己副会長
定例議事
〇ライチウス三田会半田会長挨拶
5月に開催した「ライチウス三田会創立25周年お祝いの会」の報告の後、2030年に迎える「ライチウス会創立100周年」に向けて準備を開始していくこと、会の名称のルーツはフィンランドにあり、調査の結果、フィンランドには現在も全国組織として「ライチウス友の会」(仮称)が活動しており、さらなる調査の継続に大きな意義があると伝えました。


〇ライチウス会駒村会長挨拶
学会出張と重なり、今年もビデオによる挨拶となりましたが、講師の長谷川先生によるリハビリテーションについてのご講演もあり、盛会となるよう祈念していること、並びに2030年の創立100周年に向けて頑張りましょうとの励ましの言葉もいただきました。

〇2024年度会計報告並びに監査報告
飯塚副会長、林監事により報告があり、拍手により承認されました。
〇役員承認
2026年度~2027年度の役員として、会長 半田理恵子・副会長 飯塚克己・監事 林圭子・監事 河内康郎 の4名が紹介され、拍手により承認されました。なお、鈴木由之幹事長、幹事10名は、配布資料により報告がなされました。

講演会
リハビリテーション科医師の長谷川幹さん(東京医科歯科大学医学部1974年卒業)に講演をしていただきました。以下は長谷川さんの監修を得て講演の要旨をまとめたものです。
講演 「リハビリ~生きる力を引き出す」

リハビリというと一般的に訓練するというイメージが強いため、副題に「生きる力を引き出す」とつけました。訓練は一部で、大きな意味でとらえながらリハビリに取り組んでいます。つまり、ご本人が生きる力を出すためにどう支援するかということです。そのために周囲のかかわりが大事です。
私は1982年に世田谷区にある病院のリハビリテーション科に医師として勤務して以来、43年にわたって同区で活動しています。80年代は、回復期リハビリはなく、病院も都内にはなく長野県の鹿教湯温泉や伊豆の温泉、山梨県の石和温泉などにしかありませんでした。私は鹿教湯温泉の病院に1年ちょっといたこともあります。リハビリ後10年、20年たってどうなるか、その経過を知ることが、私が世田谷区から動かなかった理由です。
2020年代は障害がある人が障害のある人と仲間づくりをしながらやっていく「ピアサポート」の時代になっています。
1984年に発足した自主グループ「たつなみ会」で会長になった方は以前は左半身麻痺で自由に立つこともできなかったんですが、会長になって自分がリーダシップを発揮しなければならないとなって、一生懸命練習されて立つことができるようになりました。我々の力ではありません。会で旅行にも行きました。初回は私も同行しましたが、会長は自信もついて、2回目の時は「あなた来なくていいよ」と言うまでになりました。他に地域の方との交流や、歌舞伎を観に行くこともあります。片麻痺の方のゴルフやダンス、音楽のコンサートも催しました。20年ほどつき合っていると、どんどん変わっていくことを知りました。障害のある人が受け手、ない人が支え手という役割に固定されていないかという疑問が湧きます。普通の生活では誰もが受け手にも、支え手にもなりますが、障害のある人が支え手になることは想定されていないんじゃないか。もう一つ、「維持・向上」という言葉がありますが、向上を考えるなら「向上から維持」だという問題提起があります。
例えば80代でパーキンソン病になり、生活が全介助になった方がいます。外出の機会を設け、会の旅行にも出かけるうちに長時間車いすに座っていられるようになり、表情も出てきて、7年後には年賀状も書けました。能力の低下は病気の進行、高齢以外に外出しないでいる不活動も要因であること。筋肉が硬くなる病気なので、表情がない「仮面様顔貌」ですし、動作が緩慢なので喜怒哀楽や意欲がないと誤解されがちであることなどを学びました。80歳代でも、その人のしたいことが見つかれば改善するのです。
脳出血による重度の失語症、右片麻痺のケースでも、会の旅行に死ぬ気で参加されたり、順番に回す会長職を引き受けたりし、受傷後8年の新年会の会長挨拶で、「やってごらんなさい」としか発語できなかった方が「ハッスル、ハッスル」と言えたのです。猛練習されたそうです。周囲の支援を受けながら、「役割を果たす」ことの重要性に気づかされました。
〈他にもさまざまな症例を通して、役割や目的があればこその機能向上の努力や、損傷後の脳の可塑性についてご説明くださいました。また、努力するにはご本人の意欲が必要で、「主体性」が重要です。2009年に発足した「日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会」では、「主体性研究」をしていることもご紹介くださいました〉
グループ懇談
講演の後、参加者は4つのグループに分かれてグループ懇談に移りました。テーマは、AグループとBグループは、長谷川医師にご協力いただき「リハビリ~生きる力を引き出す」について、CグループとDグループは「ボランティア活動」についてです。グループの進行は前もって4名の方々にお願いし、以下の報告も各々作成していただきました。
Aグループ 進行:塚本晃弘さん(S56卒)

参加者:三田会3名 現役4名
冒頭、長谷川講師への質問からグループ討議が始まり、現役・OB双方から次々と質問が寄せられ、本テーマへの関心の高さがうかがわれた。家族への支援にどのような姿勢で臨むべきかといった現実的な悩みも多く、講師からは個々のケースに応じた助言が示された。そのうえで「支援において相手を変えようとするのではなく、同じ方向を向きながら伴走する姿勢が大切である」との基本的な考え方が共有され、参加者からは家族への声かけの難しさや、親族間の関係調整に伴う戸惑いが語られた。
また、障害に対する社会的な捉え方の変化についても説明があり、障害を本人側の問題とみなすのではなく、社会が受け入れるための環境整備に重点を置く方向へ移行してきた経緯が紹介された。コンセプトも Handicap → Disable → Challenged へと変化してきた文脈が説明され、参加者の理解を深めた。
現役学生からは、活動拠点が拡大する中で拠点内および会全体での情報共有が十分でないこと、さらに全体行事への参加者確保が難しいこと等が課題として挙げられた。これに対しOBからは、Web会議による情報共有の仕組み作りや、行事に参加しやすくなるよう小さな役割を用意する工夫など、具体的な改善策も示された。また、更生館の登山合宿やスキー合宿といったOB自身の活動経験も紹介され、支援活動の広がりや魅力を現役に伝える機会ともなった。
Bグループ 進行:徳田剛至幹事(S56卒)

参加者 三田会5名 現役2名
長谷川先生の「リハビリ」のご講演を受けて、親の介護やご自身で経験したり、自分ごとと考えるOBの皆さんと活動に活かそうとする現役の皆さんで話し合いました。長谷川先生にもご参加いただき、活発な意見交換がなされました。「人間の脳機能」から「コミュニケーション術」、「目標設定から、目標達成をするプロセスの管理の必要性」等など、様々な意見交換の中から学ぶ機会となりました。「リハビリ」のお話から、人間の「生き方」の基本を、改めて考える機会となり、皆さんが、それぞれに、対した方やご本人自身の「生きる力を引き出す」ことを実践されてきたのだなあ、と実感する時となりました。そして、「ライチウス会」での活動をベースにしていることに誇りを持てる時でもありました。
Cグループ 進行:伊藤教彦さん(S55卒)

ライチウスに入ったきっかけからスタートして、現役学生3人には活動から感じていること、将来やりたいことを率直に話していただき、三田会員4人は学生時代の思いと、これまでの経験から現役の皆さんに伝えたいことを話していただきました。全員が自分の言葉、飾らない言葉で語り合う場になりました。
〇ボランティアを始めたきっかけ
- 大学生活で一生に1回しかやれないことをやろうと思った。
- 自分は恵まれた環境なので、少しでも社会の役に立てればと思った。
- 勧誘されたのがきっかけだが、自分の中に社会のためになりたいという気持ちがあった。
〇活動の中で感じたこと
- 相手に気を遣いすぎてもだめだと言うことに気がついた。
- 子どもに勉強を教えることも大事だが、お兄ちゃん的な存在として接している。
- 担当していた子どもに、何年かぶりに再開し、成長した子どもから逆に教えられた。
〇今後、どのように活動したいか
- 人に頼られるようになりたい。
- 理系学部だが、将来は福祉関係の仕事も頭のなかにはある。
- 人に情報や新しいことを伝える喜びを感じる仕事をしたい。
Dグループ 進行:辻幹事(H21卒)

〇学生
- 子どもの成長だけでなく、ボランティアを通じて自分自身も成長できていると感じており、ありがたい経験だと感じている。
- 外部から来ているため、施設の職員の方には言いにくい不満などを打ち明けられることもある。パートナーの子にとって、どうでもいいことや悩みを伝えられる場所でありたいと思いながらボランティアをしている。
- ボランティア活動が利用者の人生に影響を与えられたとは正直思っていない。施設の方からは温かく歓迎されていた。何か目的を持ってというよりは、相手に意識させないよう、「気楽な気持ち」で接していた。
〇三田会
- 当時の活動は、相手の気持ちを聞くことよりも勉強を教えることに重点が置かれていた。今考えると、子どもたちは本当に勉強がしたかったのではなく、人間関係を求めていたのだと思う。
- ボランティア活動は、大げさに言えば、社会を底辺から変えていける力になり得ると考えている。メンバー同士で活動の意義を考え、高め合っていった時間があったからこそ、社会に出てから役に立ったと感じており、そのような自分を育ててくれたライチウス会に感謝している。
[第二部 懇親会]

16時から山食にて懇親会を行いました。小山廣重さん(S41卒)にご挨拶を頂き、新規会員の島崎さんのご紹介、牧野さんと河合さんによる現役生活動報告、軽部代表への支援金贈呈、半田会長の乾杯に続き懇親会がスタートしました。今回は少し趣向を変えて、各テーブルに分かれて現役生が各々の実際の活動の状況報告を行い。それをOB含めてみんなでワイワイやる懇談になりました。15名の現役生に出席してもらったので、これまで以上に現役・OBの絆が深まったとの感想を頂いています。飯塚副会長の閉会の挨拶に続き、今回新任の河内監事による「若き血」をみんなで合唱して懇親会がお開きになりました。
総会懇親会アンケートから
総会、懇親会についてのご意見・ご感想から一部抜粋をご紹介します。
- (講演)「障害の有無で支援の受け手と支え手という役割に固定されるのではなく、誰もが主体性を持てるような支援の必要性を感じた」「自身の仕事・家族と重ね合わせることが多々あった」
- (小グループでの懇談)「世代を越えた意見交換をおこない、有意義だった」
- (懇親会)「現役学生の参加が多く楽しかった」「現役生が熱い思いで活動を続けていてくれていることを大変うれしく思った」「現役生・OBのコミュニケーションが深まった」「OBの方々の経験やアドバイスをたくさん聞くことができた」「(学年が)数年上の方と学生当時の思い出話ができた」「(平成卒世代の)OBの仕事の話に現役生が目を輝かせていた」
沢山のご意見・ご提案を頂戴しました。次回総会の参考にさせて頂きます。
総会懇親会 所感
2025年度三田会総会・懇親会感想
島崎杜香(令和7年文卒)
はじめて卒業生という立場で三田会総会に参加させていただき、三田会の皆さまや現役生のみんなに久しぶりにお会いして懐かしくも新鮮で大変楽しかったです。
長谷川さんのご講演では、何かを出来るようになりたいという目標や与えられた役割がいかに患者さんやご家族の人生に前向きな変化をもたらすのか、実際のご経験を通じたお話を拝聴し、障碍のある方との向き合い方を考えさせられると同時に、私たち誰しもにとって大切な人生哲学を学ばせていただきました。その後のグループ懇談では、現役生の皆さんに最近の活動の内容や、活動を通じての悩みなどを伺った上で、三田会の皆さまは活動中にどんな悩みを抱えていたのか、その問題とどう向き合ってきたか、そして現ライチウス会にあるサークル員同士の関係の希薄化やボランティア活動の個別化といった問題を改善するためにはどのような取り組みが必要か意見交換をしました。私は卒業したばかりということもあり、中間的な立ち位置で、現役時代に感じていたこと、当時の活動を振り返り卒業後の今思うことなどをお話させていただきました。皆さんとのお話を通して、ライチウス会でのボランティア活動が必ずしもその後の人生に直接的に影響するというわけではなくても、沢山悩み葛藤した経験や、ボランティアで関わった方から「ありがとう」と言ってもらい嬉しかったこと、サークルメンバーとの関係性が、卒業後、確かに心の支えになるのだろうなと思える、素敵な時間でした。
懇親会では新規会員としてご挨拶をさせていただきましたが、大変あたたかく迎えてくださり、嬉しかったです。ありがとうございます。また三田会の皆さまや就職を控えた4年生を交え、仕事のお話などもさせていただき、ライチで繋がったご縁を大切に、いつか機会に恵まれたときに、ご一緒できるよう社会人として精進しようと思いました。
今年の三田祭でも模擬店出店があるようなので、サーターアンダギー私もぜひ食べに行きたいと思います。今後もライチウス会の活動を応援しております。
2025年 ライチウス三田会総会所感
鈴木 省五(1978年度政治学科卒)
2025年の総会は11月8日晴天に恵まれ、秋色濃くなった三田キャンパスで開催されました。懐かしの大銀杏は私の卒業から45年を超える時を重ねましたが未だ成長途上の感があり、羨ましいと思いながら総会の会場へ。こちらは現役の皆さんを除くと、お互い成長途上とは言えないことを実感(失礼!)。
総会が始まり冒頭半田会長が、フィンランド語のライチウスの語源や意義を改めてお話され、また5年後のライチウス会100周年に向けての力強い決意を表明され、皆が高揚感に包まれながら会がスタートしました。
会計報告・役員の承認(本当に役員の皆さんいつもありがとうございます)に続き、いよいよ長谷川幹様(リハビリテーション科医師)の講演に移りました。
長谷川医師は、半田会長と同じ病院で勤務されていたとのことで、会長の人脈の深さに驚かされました。講演では多くのリハビリの事例を紹介され、リハビリのあり方についての貴重なお話を伺うことができました。
〇リハビリは年単位の時間をかけながら、周囲の支援により実を結ぶことがある。その際支援の「受け手」と「支え手」は固定して考えず、場合によってはその役割が入れ替わることもある。
〇当初の予想を超えて回復することもある。それはその人の意欲を引き出すような場所や事柄(旅行や歌唱やスポーツ等)を、根気強く皆が「一緒に」なって取り組んだことによることが多い。
このような様々なご示唆をいただき、ボランティア活動にも多く通じるところがあると思いました。心地よい秋の陽差しの中、南校舎での過ぎ去りし日の授業の感覚にふと戻りながら、あっという間の1時間でした。
その後、グループ懇談に移り、「リハビリ」と「ボランティア活動」をテーマに4つのグループに分かれ、お互いの思いを語り合い楽しい一時になりました。
会場を山食に移し懇談会となり、3つのテーブルに現役とOBが混じり、司会役の方も配置され懇親を深めました。ライチウス会は現在3~10人で構成される8つのパートがあり、多様な活動があるなと実感しました。現役諸君の自らのボランティア活動に対する改善策を模索する姿勢に驚かされました。皆さんとても立派だなあ。
全体を通して、総会、懇談会が単に懇親の席ではなく、幹事の皆さんのご努力により、ライチウス会ならではの学びの場、現役生とOBへのエールの場ともなっていることに深い感動を覚えつつ、その余韻さめやらぬうちに、2次会の場へと足を向けたのでした。
長谷川幹様、ライチウス三田会・ライチウス会会員の皆様のご協力に感謝申し上げます。
会長 半田理恵子
(2025年11月25日)











