心に残る言葉 「信頼という名のバトン」

| 2020年8月15日

 

 餘吾徳造(1975年法学部法律学科卒業)

 

 日々の生活の中で、心に残る言葉に出会うことがあります。

2019年11月に開催されたライチウス会と三田会の合同勉強会での半田理恵子さん(1976年卒)の言葉「信頼という名のバトン」もその一つです。

当日は杉並児童相談所長の坂井隆之君(1986年卒)の基調講演をもとに子供たちを取り巻く諸問題やライチウス会の役割等について話し合いました。

 

90周年の記念誌を作りながら、なぜライチウス会が90年も続いてきたか、なんとなくぼんやりした気持でいました。

半田さんは、大学を卒業し子供たちや障がいのある方々と別れなくてはならない時に、ライチウス会が90周年にわたり続いてきた真の意味を知ると言います。

そのキーワードが「信頼という名のバトン」でした。

 

そして、90周年記念誌の編集後記ではこう語ります。

「そう、私たちは子供たちや障がいのある方々との信頼を守り続けるために

信頼という名のバトンを後輩に託すことでライチウス会を卒業できるのです」

さらに続けて、

「このリレーに、もしゴールがあるとすれば、そこにはどのような社会が

あるのでしょうか ゴールはまだまだ見えません」

ライチウス会が必要とされない社会を願いながらも、本会の役割に終わりがないことを予見しています。

 

駒村康平会長は、最近の著書「社会のしんがり」の中で、半田さんの言う「信頼という名のバトン」が間違いなく引き継がれてきたことを紹介しています。

 

現在私は大学でライチウス会という1930年に発足した学生ボランティアサークルの顧問を引き受けています。  (中略)  彼らは、まったく境遇の異なる子どもたちの人生を知ることにより、異なる人生への想像、共感し、寄り添うことの重要性を学び、人間として成長しています。

どうしてそう言い切れることができるのでしょうか。

それはこのライチウス会のOB・OG会が毎年あり、最年長の方では90歳を超えていますが、そこで話をするOB・OGの社会への情熱に触れ、若いときに感じたことを大切にし、まさにさまざまな形で「社会のしんがり」を担っていることを知ることができるからです。  (引用 p22-p23)


 
*「社会のしんがり」(新泉社2800円+税)  駒村会長主催の寄付講座の講演者で地域の困窮と闘う人たち11人を「社会のしんがり」として紹介しています。

ライチウス会を卒業して45年が経った今、「信頼という名のバトン」を引き継いだ一人として、「社会のしんがり」の一部でも担えればと思っています。

 

2020年4月

1975年法学部法律学科卒 餘吾徳造